過日、桜の咲く少し前の事、電車内にて少し意外な光景を目にしました。携帯電話
で、なんと、将棋をやっている若者。乗換え迄の束の間、局面の推移を遠巻きに眺め
た限りでは初中級者レベル、『フーン、まだまだ将棋も捨てたもんじゃないね』と思
いました。
電車内にて将棋書籍雑誌新聞等を読んでいる姿は、稀にですが見かけます。彼等は、
寸暇を惜しむかのように将棋情報の収集吸収に努めているのですから、かなりの好事
家で、おそらくはかなりの腕前ではないかと推察されます。しかるに、携帯電話で将
棋に興じていた彼は、察するに、かなりゲーム感覚、あまたある携帯ゲームコンテン
ツの中の一つとして将棋を気軽に気紛れに楽しんでいるレベルでしょう。それ故に大
いなる可能性を私は感じたのです。
最近、『ハチワンダイバー』(柴田ヨクサル著:集英社)、『三月のライオン』(
羽海野チカ著:白泉社)等、将棋がテーマの漫画が連載中で、特に『ハチワン~』は、
最近、実写版でTV放映されるほど。将棋ブームの到来、案外目前かも知れませんよ?!
(二〇〇八年六月号 W)