「熟慮決断」という言葉があります。「深く考えて決断する」という意味ですが、
一般的には「決断」より「熟慮」の方を、すなわち、思慮深いことの大切さを強調す
る言葉として使われています。
将棋を指す人なら、やっぱり「熟慮」の方を重視するだろうと思うのですが、昔、
あるプロ棋士が著書の中で「熟慮は決断とセットだから価値がある」「二つを組み合
わせないと、よい将棋を指せない」といったことを述べていたのを読んで、おおいに
考えさせられたことがあります。
最近、尖閣諸島や北朝鮮の事件などで、政府の対応の遅さが話題となっています。
私自身も決断を先送りする傾向があるので、「情報収集をして、しっかり判断したい」
という言葉ばかりで行動を先送りする姿が、自分と重なって困ってしまいます。
新しい年になりました。新年になると、私はいつも一年の目標を立てますが、毎年
のように「情報収集と熟慮の末」に「時間切れ」に終わってしまいます。今年こそ「
決断の一手」を指したいものです。
(二〇一一年一月号 K)